内視鏡検査
大腸内視鏡検査
なぜ大腸内視鏡検査が必要か、日本の現状から
2019年のがん罹患数第一位は大腸がんであり、2022年の女性のがん死亡数第一位も大腸がんと数が増えてきています。しかし、大腸がん検診の受診率は45%前後(2022年)と低く、便潜血反応だけでは、大腸がんの原因となるポリープや早期大腸がんを見つけることは困難です。さらに、大腸がんは大腸ポリープが大きくなって変異するものがほとんどです。
大腸がんの予防には、大腸内視鏡によるポリープの切除が必要となります。
40歳を過ぎたら、出来れば毎年、少なくても数年に一度は大腸内視鏡検査を受けましょう。
このような症状・お悩みがある方はご相談ください。
✓ 便潜血検査で陽性反応がでた
✓ 大腸がんが心配
✓ 排便時に出血があった
✓ 下痢もしくは便秘でお悩んでいる
✓ 便が細くなってきた
✓ 便が黒っぽい、赤っぽい
✓ 家族に大腸がんになった人がいる方
✓ 以前大腸にポリープがあると言われた方

大腸内視鏡検査でわかる主な病気
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大腸ポリープ
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大腸がん
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病) など
優しく、丁寧な大腸内視鏡検査・治療
大腸内視鏡検査は、盲腸から直腸まで大腸全域の粘膜を直接観察できる検査です。また、検査中に病変を内視鏡で採取して生検ができるため、確定診断が可能です。さらに、将来がん化する可能性のある大腸のポリープを検査中に見つけた場合、その場で内視鏡による切除の日帰り手術も可能です。これにより、将来的な大腸がんの予防にもつながります。
当院の大腸内視鏡検査の特徴
ハイブリッドで行う高度な挿入技術
大腸は曲がりくねっているため、上手に内視鏡を挿入しないと大腸が引き延ばされて苦痛が生じてしまいます。この苦痛をなくすために、当院では軸保持短縮法、浸水法といわれる2つの高度な挿入技術のハイブリッドで行っています。この2つの技術は共に、痛くない、上手な大腸カメラには必須の技術であると考えております。
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日帰りポリープ切除
検査時にポリープが発見された場合、その場で切除することも可能です。大腸がんの原因は大腸ポリープから発展するものが多く、切除することでがんを未然に防ぐことができます。またポリープを切除しても入院の必要がなく、その日のうちにご帰宅いただけます。明らかに癌を疑う場合、ポリープのサイズが大きい場合や数が多い場合は提携病院をご紹介させていただきます。

大腸ポリープの内視鏡治療
内視鏡によりポリープやがんを治療する方法にはいくつかの種類があります。
当院では次の3つの治療を行っております。
●コールドスネアポリペクトミー
コールドスネアポリペクトミーは、大きさ10mm未満の小さなポリープの切除に適している方法です。
ポリープの部分にスネアという金属性の輪をかけて、根元を絞めてポリープを切除します。高周波電流を用いるため術後の出血が比較的少ないことが特徴です。
10mm以上のポリープは、遺残や出血などの危険性が高くなるため、ポリペクトミー(高周波電流を流して切除)を選択することが多いです。

●ポリペクトミー
ポリープの茎にスネアという金属性の輪をかけて、高周波電流を流して切除します。
茎のある形のポリープに用いられます。

●内視鏡的粘膜切除術(EMR)
粘膜の下に生理食塩水などの薬液を注入して病変を持ち上げ、その後スネアをかけて高周波電流にて切除します。茎のない平坦な形のポリープに用いられます。
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腸壁にぶつからないスコープ
大腸は屈曲している部分が多く、90度以上に曲がった部分もあります。そのような場所でスコープが腸壁を押すと、患者さんは鈍い痛みを感じることがあります。
当院の大腸スコープは「受動湾曲部」という機能を搭載しています。これにより、湾曲部が腸壁に当たって力がかかると、受動湾曲部が自動的にしなるようになります。この仕組みによって、腸壁を押す力が内視鏡先端部を先へ進む力へと変換され、スコープが腸壁部にぶつかることなく、痛みなくスムーズに検査を行うことが可能です。


おなかが張らない炭酸ガス送気システム
大腸内視鏡検査では、大腸を見逃しなくすみずみまで観察するために、通常は空気を注入しますが、空気は吸収されにくいためしばらく残ってしまい、検査後のおなかの張りの原因となります。
当院では、空気より200倍吸収が速い炭酸ガスを注入することで、お腹の張りを大幅に軽減しています。吸収された炭酸ガスは、呼気で自然に排出されるためとても安全です。

大腸内視鏡検査の費用(目安)
当院では大腸内視鏡検査・日帰りでの大腸ポリープ切除を保険診療で行うことができます。
ポリープ切除の有無や、使用する薬剤の種類や点滴の有無などにより費用が前後することがありますので、実際の費用とは異なる場合がございます。
ご来院の際は保険証をお持ちください。
検査費用が高額になる場合には、クレジットカード決済も対応しています。
※1:病理検査をした部位の数により費用が変わります
※2:ポリープ切除をした部位の数により費用が変わります
大腸内視鏡検査の流れ
1.外来の受診
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)をご希望の方は、事前に外来の受診をお願いします。
診察時に以下のことを行います。
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検査日のご予約
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同意書のご説明
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問診
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検査のご説明
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下剤のお渡し
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血液検査(感染症チェック)
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食事の説明(食残の少ないもの)
2.検査前日
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午前中の検査の場合
夕食は16時までに済ませてください。17時~24時にかけて下剤を少しずつ飲み始めます。それ以降はお水やお茶などの水分のみ接種可能です。 -
午後の検査の場合
夕食は21時までに済ませてください。それ以降はお水やお茶などの水分のみ摂取可能です。
寝る前に錠剤の下剤を飲んでいただきます(下剤の種類によってない場合もあります)。
3.検査当日
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飲食については制限があります。検査の予約時に詳細をご説明させていただきます。
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首元やお腹を締め付けない着替えやすい楽な服装でご来院ください。
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下剤は検査開始時間の5時間前から服用を始めます。服用開始1時間前後で便意を催し、服薬後2~3時間で便がほぼ透明になります。その後は便意がなくなりますので、来院時便の心配は基本的にはございません。
① 受付
指定のお時間にご来院ください。
② 検査前
最後の食事の時間、便の状態の確認などを行います。
③ 着替え
お荷物は、ロッカーをご使用ください。下着は脱いで検査用パンツへ着替えをお願いします。
④ 前処置
内視鏡室に入室し、血圧などのバイタルサインの確認などを行います。
点滴を行い、そこから鎮静剤を投与します。(鎮静剤を用いる場合)
⑤ 内視鏡検査(10~20分程)
鎮静剤を使用された方は1時間程度リカバリー室で安静にしていただきます。
⑥ ご帰宅
鎮静剤を用いた内視鏡検査の場合、検査後は鎮静剤が残る場合があります。お帰りの際は、車・バイク・自転車の運転はお避けください。